ボクが求刑 聞き間違えて…

 別のブログの話をしようかどうしようかと迷っていたんだけれど…、



 ブログ「弁護士任官どどいつ集」の今日付けのエントリーのタイトル

 “ボクが求刑 聞き間違えて 「ごめんねごめんね ごめんね〜」”

 http://blog.goo.ne.jp/gootest32/e/e25623b1b8f773086ed6a2108d649928
 に受けてしまったので、それを今日は書こうかと。

 本日付けのmixi日記のほぼ転載だけれどね…。




 このエントリーに、

 この求刑聞き間違えによる判決言渡しやり直し事件については、
 日本裁判官ネットワークのブログ
 http://blog.goo.ne.jp/j-j-n/
 などでも大論争を呼んでいる。

 と書かれていたので、日本裁判官ネットワークのブログを久しぶりに見に行く…。

 該当エントリーは、6月15日付の

“あえて言う ガンバレ馬場純夫裁判官”

 http://blog.goo.ne.jp/j-j-n/e/dfb7264b5ed8f03acfeafd09e5a3f110

 のようだ。



 コメントは、現在4つだし、「判決言渡しやり直し事件」に直接関係するのかどうか…。

 また、「など」とあったけれど、「大論争」といえるかどうか…。

 さらに、主語が書かれていないとすぐ勘違いする私からすれば、前者のエントリーの中にある「擁護派の意見」の「擁護派」が誰なのかもよくわからなかったりする…。(´・ω・`)



 そういうことはさておき、後者のブログのくまちん氏の指摘に関して、若干の感想を…(^^;。



 実は、この件については、記事自体も、たぶん最初、

 http://d.hatena.ne.jp/bo2neta/20090609#p1
 で知ったのだと思う。そして、

 裁判官って,もしかすると,「検察官の量刑の8割」って感じで刑を決めているのかもしれませんね。この記事を読む限り・・。

 ということを、そのまま「鵜呑み」にしていたのかも…(^^;。*1

 そういう頭で読んでいると、くまちん氏の指摘は、「斬新」なのかもしれない…。


 
 まず、くまちんさんも、最初は(3段落目では)、馬場裁判官に否定的である。

 にもかかわらず、「しかし,今少し冷静になって考えてみると」という形で、四段落目以下では、この裁判官を「擁護」をされるわけだ。



 4段落目で気がついたのは、

 そんなご迷惑を被告人にかけるくらいなら,率直に誤りを認めよう。おそらく馬場裁判官の心の中はこのようなものであったろう。

 とあるように、誤りを認めた原因として、被告人に対する迷惑を推測されている点。

 (馬場裁判官の本心はわからないけれど、くまちんさんの推測では)「上級審に対する迷惑」ではないってことなのか?

 「さすがに前任地の口うるさい札幌弁護士会のアンケートでも比較的高評価だった裁判官だけのことはある。」(7段落目)ということなのでしょうか…。
 8段落目で「所詮業界内の「内向きの論理」を前提」と突き放しはしているものの…。



 次に、5段落目で、

 また、彼は最終の言渡しで,執行猶予をつけたもう一人の被告人については,求刑から6ヶ月を削って2年という主文を言い渡している。そこに彼のせめてもの「意地」と「気骨」を見る。

 とあるけれど、この点は、馬場裁判官においても異例のことのようだ。

 http://d.hatena.ne.jp/okumuraosaka/20090608#1244449345

 奥村弁護士の推測のように「あわてていた」のかもしれないけれど、くまちん氏の推測のように「意地」「気骨」なのかもしれない…。

 よくわかりません…。(´・ω・`)



 あと、この点については、このような事案の量刑相場は知らないけれど、

 別の犯罪類型で、かつ、執行猶予付きであるが、検察側の求刑を上回るの量刑判断があることを思い出した*2

 たとえば、

 http://d.hatena.ne.jp/okumuraosaka/20090617#1245151421



 第3に(2番目に大きな問題だと思うけれど)、7段落目の「馬場さんには間違ってもこれを機に裁判官を辞めたりしないで欲しい。」

 という記述も気がかりだ。

 こういう「圧力」って、司法権内部だけではなく、今後増えるんではないだろうか…。



 いずれにせよ(といいながら1番大きな問題だと思うけれど)、両エントリー(弁護士任官どどいつ集・裁判官ネットワークのもの)が指摘する、

 「やはりそれ以上の問題がありそうである。」

 「秋田の一件が投じた一石は,「バカな裁判官がいた」で終わらせていい話ではないと思う。」

 という点には同感である。

*1:ただし、馬場裁判官の宣告刑については、http://d.hatena.ne.jp/okumuraosaka/20090608#1244449345の「追記」も読んでいたはず…。

*2:同じ犯罪類型でも求刑を上回る事案がある事自体は知っているが、めんどーなので…。