定義の重要性・その2
気がつくのが遅かったという部分もあるけれど、そもそも、「その2」を書くつもりはなかった…。
内容的には、前回の続き? 前々回の続き?
さっき、次の記事に接した。その部分引用。
裁判員法は、〈1〉死刑か無期懲役を法定刑に含む〈2〉故意に人を死亡させた――のいずれかに当てはまれば、制度の対象にすると定めている。
こんな対象でしたっけ?
条文を丸暗記していない状態であったものの、「違和感」を感じたのは、
〈1〉「無期禁錮」を含んでいないこと、
〈2〉(あとで見る短期1年以上の懲役・禁錮という限定がないことはさておき)死亡させることに対する「故意」が必要なように読めること。
の二点。
どういうまとめ方をされたのかなあと…。
わかりやすくするにはいいけれど、かなり不正確なのでは?
裁判員法2条1項:
地方裁判所は、次に掲げる事件については、次条の決定があった場合を除き、この法律の定めるところにより裁判員の参加する合議体が構成された後は、裁判所法第二十六条の規定にかかわらず、裁判員の参加する合議体でこれを取り扱う。
一 死刑又は無期の懲役若しくは禁錮に当たる罪に係る事件
二 裁判所法第二十六条第二項第二号に掲げる事件であって、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪に係るもの(前号に該当するものを除く。)
裁判所法26条2項2号:
死刑又は無期若しくは短期一年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪(刑法第二百三十六条 、第二百三十八条又は第二百三十九条の罪及びその未遂罪、暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)第一条ノ二第一項若しくは第二項又は第一条ノ三の罪並びに盗犯等の防止及び処分に関する法律(昭和五年法律第九号)第二条又は第三条の罪を除く。)に係る事件
うーん。結論から言うと、条文読んだら、そんなふうにまとめられるのかなあと疑問。
〈1〉「無期禁錮」を含んでいないことについては、まあ、そういう法律が少ないとか、適用されないとかそういうことがあるから、無視してもいいのかもしれない(特別刑法はよくわからんw)。
しかし、〈2〉死亡させることに対する「故意」が必要なように読めることについては、ちょっと問題なのでは?「結果的加重犯」という概念知らないの?該当する条文読んだことないの?(と、何も調べずにエロソーなことを言っている私が間違っているかもしれないけれどw。)
「○○などの一定の重大事件」でよかったんでは?
一応、模範例。
刑事事件のうち,死刑又は無期の懲役もしくは禁固に当たる罪にかかる事件(たとえば,殺人,強盗致傷等),法定合議事件であって,故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪に係る事件(たとえば,傷害致死,危険運転致死等。死刑,無期等の場合を除く)の裁判…
今日(22日)は、なんかいろいろ文章書いて疲れたので、このへんで…。
第二報を書くかもしれないけれど、刑事法に強い人に任せた…。(´・ω・`)
蛇足:まあ、裁判所だって、次のような記述をしているけれど…。
裁判所ナビ1
http://www.courts.go.jp/about/pamphlet/pdf/saibansyo_navi01.pdf (PDF文書)
3ページの三審制のところ
> 事件の内容によって,簡易裁判所か地方裁判所あるいは家庭裁判所で最初の裁判(第一審)が行われます。
高等裁判所が第一審になる場合はないのか?
「一般的に」「原則的に」とかつけなくて良いのかな?
まあ、
http://www.courts.go.jp/about/sosiki/kakyusaibansyo.html#koutou
をあわせ読めばいいんだけれど…。