意見の多様性と多数決・その5−1

 1月中に書こうと思っていたのに、2月に入ってしまった罠…(´・ω・`)。

 インフルエンザ明けでまだ体調が万全ではないのですが、書き始めないと、書く気力もわかないだろうから、ちょっとだけ書いてみまつ…。目標は、バレンタイン前に終わる…(なぜ?。

 で、今回から、「防衛費GNP(GDP)1%枠」問題に入りたいと思います。「徴兵制」で書き忘れたというか、共通することなのであえて書かなかったこともありまして、その点については後日まとめて書きたいと思います。



 他方、自衛隊違憲論も、国際法および国内法の解釈で合憲論と対峙してきたのであって、その場合に、自衛隊の実態やその想定する戦争様相と戦略、戦術、つまり、密教の秘義については、必ずしも常に視野に収めて検討してきたわけではない。秘義の暴露と批判、検討は、ジャーナリストや軍事問題研究者に委せられていた。

 出典:江橋崇「「自衛権」概念の変容と憲法九条」法律時報51巻6号(1979年5月)59ページ




1.テーマを2つにしたわけ

 1月1日の日記で書いたように、「徴兵制」と「防衛費GNP1%枠」は、mixiでマイミクさんと議論したテーマです。

 何ゆえ、2つのテーマを同時に議論しようとしたのか?1つだけでよかったのではないのか?

 たしかに、(たとえば、徴兵制の政府見解を「墨守する」つもりがなかったように、現状を「正しい」とは思っていないのですが)「現状を前提にそれを変えるため(変えるように説得するのであれば)何らかの根拠を示さなければならない。根拠を示すことを相手の責任にした。」(=「ズルい女」)という点では共通。

 しかし、私としては、「徴兵制」のほうが議論しやすい・法律論になりやすい、「防衛費GNP1%枠」のほうが議論しにくい・政策論になりやすい、と思ったんですよね。

 実際には、私が議論しやすいだろうと思っていた「徴兵制」の問題だけでもこじれてしまったんですけれど…。(´・ω・`)



2.3つの見解

 以前と同様の形式で類型化。

 防衛費を減額すべきか、現状維持すべきか、増額すべきか、それを、GNP(GDP)比で見ていこうと。

 GNP(GDP)比で見ていく妥当性については、あとで話すとして、次のような見解があるとしましょう。

(a)防衛費増額派
 (a-1)説:GNP3%程度に増やすべき。
 (a-2)説:GNP2%程度に増やすべき。
(b)現状維持派
 GNP1%程度で、現状維持すべき。
(c)防衛費減額派
 (c-1)説:GNP0.5%程度に、減らすべき。
 (c-2)説:GNP0%にすべき。

 (a)説は増額する点では一致するが、具体的な金額で開きがある。1.5%とか2.5%とか4%とか意見が分かれるでしょう…。

 (b)説は、現状維持すべきとする点では一致するが、たとえば、1%を超えても良いのかどうか、意見が分かれるでしょう…。

 (c)説は、減額する点では一致するが、具体的な減額する程度については、意見が分かれるでしょう…。自衛隊違憲説は、通常は、これに含まれるのだと思います。



 私は、コメントされる方が(a)説に立たれることを予想して、(b)説に立とうと考えました。しかも、(a)説が目の敵にしそうな自衛隊違憲説ではないし、「軍事的に防衛費がGNP1%であることが妥当である」という視点でもない。ただ単に、「長年にわたって1%前後にとどまってきたから」っていう理由…。一言で言えば、「インクリメンタリズム」。

 (a)説の立場から議論に参加してくださったマイミクさんには、「理由になっていない」と言われ続けましたけれど…(笑)。



 というわけで、続きは、また後日。m(_ _)m