定義の重要性

 みくしでは、今月14日に書いた話。

 それを、こちらで、若干加筆して載せてみるテスト…。

 というわけで、「何も足さない。何も引かない。」わけではありませんが、ちゃんと調べて加筆したわけではありません。




 話の内容は、前回の日記の続編みたいなもんでしょうか…。

 記事自体は、12日に読んだと思うのだけれど、例のごとく、はてぶのURL。



 女子高生とみだらな行為 20歳大学生を逮捕 - MSN産経ニュース
 http://b.hatena.ne.jp/entry/http://sankei.jp.msn.com/region/kanto/chiba/090512/chb0905121737012-n1.htm



 14日にはてぶを見ると、
 http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/kleinteich/20090513/1242216143
 が、人気エントリーにあがっていた。

 しまった。人気エントリーになり損ねた罠…*1



 さて、MSNの記事



> 会員制サイト「mixi(ミクシィ)」内の出会い系サイト



 なんて限定せず、出会いサイト「みくし」と書いても問題ないのでは?(笑)

 冗談はさておき、

 kleinteichさんが書いていないことをちょっとだけ…。*2



 条例の条文

 http://www.pref.chiba.lg.jp/reiki/33990101006400000000/41790101005600000000/41790101005600000000.html


20条1項:
「何人も、青少年に対し、威迫し、欺き、又は困惑させる等青少年の心身の未成熟に乗じた不当な手段によるほか単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱つているとしか認められない性行為又はわいせつな行為をしてはならない。」




 「又は」が2つも出てくるんですね!



 ところで、「青少年」とは誰か?

 意外と「盲点」だったりして…。


6条1号:
「青少年 小学校就学の始期から十八歳に達するまでの者(婚姻により成年に達したものとみなされる者を除く。)をいう。」

 ほう、けこ〜んしている18歳未満の者(って、民法上18歳未満で結婚できるのは女性だけだから、女性を想定しているんだろうが)、そういう人と、「あんなことやこんなこと」をしても、いいわけか…。



 罰則を見る。


28条1項:
「第二十条第一項の規定に違反した者は、二年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。」

 20条1項で「何人も」としているわけだから…。



 以上、条文を「はじめから最後まで、附則まで」読まないで書いたてきとーなエントリー。



 そういえば、昔、

 高校生同士が「あんなことやこんなこと」をしたら、「捕まるかもしれませんよ」
 と言ったら、ビックリしていた人がいた

 ということを聞いた希ガスるなあ…。



 以上が、おおむね、14日にみくしで書いたエントリー。

 こんだけの内容で何を言いたいかわからない人もいらっしゃるかもしれませんね…(^^;。



(1)「青少年」の定義

 さて、論点チックに(ってこれも論点なのですが)、「青少年」の定義は、(6条1号の定義がなくても)自明ですか? いわゆる「成年擬制」(民法753条)も当然ですか?


(中略)
> 少年法では、刑事政策的考慮に基づき、「二十歳」を基準として、「成年」と「少年」を区別しています。当然、先に説明した婚姻による擬制は及びません。

 少年法では、けこーんしても「成年」と扱ってくれないようです。同程度の年齢の人に対して、同じような「保護」を目的としているはずなのに…。
 けこーんしたら、ほかの人とは「あんなことやこんなこと」するわけないぢゃんとか、その責任は自分で負えってことなんでしょうね*3
 で、マイミクさんから次のようなご質問をいただきました。

 バツ1ならどうなるのでしょうか。

 これに対して、私は、

 大村敦志家族法』によると、離婚したら成年擬制がなくなるのかどうか、民法でも議論の余地があるそうですから、
 刑事法でも…(^^;。
 よくわかりません…。(´・ω・`)

 と答えました。
 残念ながら、当時も今も不勉強ゆえに、よくわかりません…。(´・ω・`)
 あと、本エントリー、MSNニュースの記事から離れているし、さらに、若干話が外れるかもしれませんが、次の文章を引用。

 「ただでさえ18歳未満か以上かを判別するのに困難が伴うのに、さらに女子については、未婚か既婚かを確認しなければならないとなると、条例の実効性という点では、その確保がいっそう困難となることは覚悟しなければならないであろう。」

 引用元:町田充「青少年保護育成条例の理論と実際」警察研究32巻1号(1961年)56ページ

 確認の難しさ・実効性の問題はともかく、既婚であれば、少年法で対処するわけですよね…。「不良少女と呼ばれ」るわけでつね。

(2)「何人も」の問題
 「何人も」ということは、「青少年」と「あんなことやこんなこと」をした相手方が、「青少年」であっても処罰の対象になるわけです。
 それを回避するために、

31条本文:
「この条例に違反した者が青少年であるときは、この条例の罰則は、青少年に対しては適用しない。」

 でも、少年法がある…。
 そして、高校生同士が、「あんなことやこんなこと」をしていて、どちらかが18歳に達すると、この条例の罰則の対象になるわけで…*4

*1:人気になるような、「能力」あるのか?

*2:もちろん、「先例」は「誰が見ても黒だろ」という場合であったとしても、その後どうなっていて、そのことをどう考えるのかという難しい話は、しませんし、そもそもできませぬ…。(´・ω・`) というわけで、以下、「あんなことやこんなこと」というふうにごまかすw。

*3:ちゃんと下風呂がーちゃんとしたブロガーになるのであれば、ここで、奥平康弘編著『青少年条例』所収の横田論文28ページとかくらいは引用すべきか?

*4:この指摘は、阿部泰隆「青少年保護条例による『いん行、みだらな性行為』の処罰(下)」法律時報57巻5号(1985年4月)91ページにあります。