Yahoo!ニュースの記事から

 ということで、いつもなら、ミクシィニュースをざっと見て、それに関するミクシィ日記を書いてから、はてな日記を執筆するわけですが、今日は、ミクシィニュースの日記を一応書き終えたのが、18:41。時間が遅くなったので、それ後、ざっとブログを見てから書いています*1




1.国籍法3条と憲法14条1項

 <国籍取得訴訟>比男児の国籍認めず、逆転敗訴 東京高裁

 フィリピン人の母親と日本人の父親との間に生まれた男児(8)が、出生後に父親から認知されながら、両親の未婚を理由に日本国籍が認められないのは法の下の平等を定めた憲法に違反するとして国籍確認を求めた訴訟の控訴審判決が28日、東京高裁であった。浜野惺(しずか)裁判長は「男児に国籍を認める規定は国籍法にない」と述べ、訴えを認めた1審・東京地裁判決(05年4月)を取り消し、請求を棄却した。1審は国籍法を違憲と判断し国側が控訴していたが、同高裁は憲法判断は示さなかった。男児側は上告する方針。
 男児は母親とともに関東地方で暮らす小学校2年生。出生後の99年10月に認知され、03年2月に法務局に国籍取得を届け出たが認められなかった。父親には日本人の妻子がいる。
 争点となったのは、未婚の男女間に生まれた子(非嫡出子)の国籍取得について定めた国籍法3条の規定。母親が外国人で父親が出生後に認知した場合には「父母の婚姻」を国籍取得の要件としている。
 1審は、父母の婚姻を要件とした同条を「違憲で無効」と述べ、男児の国籍を認めた。しかし、高裁判決は「仮に3条の規定が無効であるとすれば、要件を満たした子供に国籍を認めた規定の効力が失われるだけで、原告が国籍を取得する制度が創設されるわけではない」と指摘した。【武本光政】
毎日新聞) - 2月28日20時38分更新

 第一報は、時事通信でしょうか。私もこの記事のミクシィ版で知りました。
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060228-00000082-jij-soci
 時事通信の記事だと、どの事件かはわかりません。だから、ミクシィ日記では「昨年4月13日判決のはず。そうだとすると、控訴審は、国籍法を違憲とした地裁判決を覆したわけです。」と書いていました。

 地裁判決はこちら、東京地判平成17年4月13日、平成15年(行ウ)110号事件*2
 高裁か最高裁で覆るのは、想定の範囲内ですよ・・・。だけどね・・・(´・ω・`)。

2.外見・挙動不審による誤認逮捕

 <誤認逮捕>旅券不携帯で逮捕の女性、実は日本人 埼玉

 埼玉県警川口署は27日、入管法違反容疑(旅券不携帯)で逮捕した女性(28)が実は同県川口市在住の日本人だったと分かり、釈放したと発表した。女性が言葉を発せず、容姿などから外国人と判断したという。
 同署によると、25日午後7時40分ごろ、川口市内の路上を歩いていた女性にパトロール中の署員3人が職務質問。署員は女性の容姿が東南アジア出身者に似ており、名前や国籍を尋ねたところ、小さな声で「日本人です」と言ったきり何も話さなくなったため、署に任意同行した。女性は署でも日本語の質問に対し無言を通したため、同署は「外国人」と判断。パスポートの不所持を確かめて同容疑で逮捕した。
 女性は逮捕後に家族の名前を紙に書き、母親に確認すると娘と分かって誤認逮捕が判明した。母親は「娘は知らない人とは話をしない性格」と話していたという。
 金川智署長は「女性には大変迷惑をかけた。今後指導を徹底し、再発防止に努める」としている。【村上尊一】
毎日新聞) - 2月28日1時1分更新

 ミクシィでは、10:43更新でしたが。いくつかのブログで紹介されているのは存じてますので、コメントする必要はないでしょう。いずれにせよ、難しい問題ですね・・・。

3.外交機密費の情報公開訴訟

 <外交機密費>支出文書の全面的開示を命令 東京地裁

 外務省が報償費(外交機密費)の支出文書を不開示としたのは不当として、NPO法人「情報公開市民センター」(東京都新宿区)が不開示処分取り消しを求めた訴訟で、東京地裁は28日、文書をほぼ全面的に開示するよう命じた。外務省側は「公にしないことを前提とする外交活動に充てられ、開示すれば支障が出る」と主張したが、大門匡(たすく)裁判長は「そうでない支出が相当数含まれていると推認でき、外務省は不開示理由の立証を尽くしていない」と指摘。説明責任を果たさず、機密を理由に公開を拒む外務省の姿勢を厳しく批判した。
 情報公開法では「公にすることで国の安全を害したり、他国や国際機関との信頼関係を損ね、交渉上の不利益を被る恐れ」などがある場合は不開示情報とすると規定している。一方で、外務省の情報公開は他省庁と比べて著しく消極的との批判も根強く、今後の情報公開実務に影響を与えそうだ。
 同センターは外務省大臣官房と米仏中比4カ国の大使館で00年2〜3月に支出された報償費に関する文書1069件の情報公開を請求。同省が全面的に不開示としたため提訴した。
 提訴後、会計検査院の検査で、報償費が大規模レセプションの開催経費、酒類日本画、贈答品購入、車両借り上げの事務経費などに充てられていたことが判明。検査院の見直し要求や情報公開審査会の答申を受け、同省は04年4月、1069件のうち52件の一部を開示していた。
 判決は、一部開示された文書について「報償費が本来の使途以外に使われたと指摘でき、支出の基準や運用のあいまいさへの疑念を払拭(ふっしょく)できない」と指摘。「公開されていない文書にも外交活動以外の支出が相当数あると推認できる」と述べた。さらに「開示に支障があるかどうかは外務省側が立証すべきで、開示すべきでない文書を特定したり、報償費の使途について具体的な主張をすべきなのに、責任を果たしていない」として、個人情報など除く大半の文書の開示を命じた。【木戸哲】
毎日新聞) - 2月28日20時20分更新

 これも上級審で覆ると思います。

4.知財法改正

 <知財法改正>刑事罰を懲役10年に引き上げ

 経済産業省は28日、特許法、意匠法、商標法を改正し、偽ブランド品を製造・販売・輸出した場合などの刑事罰について現行の「懲役3〜5年以下または罰金300万〜500万円」から「懲役10年以下または罰金1000万円以下」に引き上げる方針を明らかにした。模倣品対策を強化し知的財産保護に厳しい姿勢で臨む。
毎日新聞) - 2月28日20時46分更新

 課徴金はダメなんでしょうか・・・(^^;。
 せっかく毎日新聞の記事を4つも続けて紹介したので、特集を紹介。ニューストップ > 毎日の視点 > 発信箱。どの特集記事にも(?)突っ込みを入れたくなるのですが、自粛(´・ω・`)。

5.東京高検検事のアドバイス

 ライブドア再建計画 東京高検検事が助言

 杉浦正健法相は二十八日午前の閣議後の記者会見で、東京地検証券取引法違反容疑で捜査中のライブドアが二十四日に発表した経営再建計画に現職の東京高検検事が関与していたことを明らかにした。法相は「金銭的な対価は一切ない。法的に問題はない」と指摘。その上で「検察官という身分はわきまえてもらわないといけないと思う。好ましくはない」と軽率な行動だったとの認識を示す一方、処分に関しては「今のところ考えていない」と語った。
 法相は「法科大学院に派遣されている。身分は検事だが、一切検察官の仕事から離れている」と説明。助言の内容に関しては「企業コンプライアンス(法令順守)の観点から教えてほしいということで、自身の知識や識見を教えたようだ」と述べた。同時に「ライブドア幹部から確認できた」と述べ、同社幹部からも検事との接触について事情を聴いたことを明らかにした。
 法務省によると、この検事は東京高検検事のまま、神奈川県内の法科大学院に教授として派遣されている。企業のコンプライアンス問題に詳しく、大学院の研究室でライブドア平松庚三社長と二月十九日と二十一日の二回会い、経営再建計画について助言を行った。それまでは平松氏と面識がなく、知人の公認会計士が仲介した。検事は現在は捜査には携わっておらず、捜査情報の漏洩(ろうえい)はないとしている。
産経新聞) - 2月28日16時19分更新

 この事案もいろいろな方が書かれているので、私が紹介するほどのものではないでしょう。私も、この検事さんがどなたなのか特定できました。

6.国家賠償法1条と公務員の個人責任

 柔道練習の生徒倒れ脳挫傷=04年、全国優勝の教諭と乱取り−横浜

 横浜市青葉区の市立中学校で2004年12月、柔道部の練習中に当時3年生だった男子部員(16)が顧問の男性教諭(27)に絞め技などをかけられた後に倒れ、急性硬膜下血腫などと診断されていたことが28日までに分かった。
 男性教諭は全国大会で優勝経験を持つ有力選手だった。
 横浜市教育委員会によると、男子部員は同月24日午後3時ごろから乱取りなどの練習を開始。同3時50分ごろ、男性教諭に2度にわたり絞め技をかけられた後、意識を失い、病院に運ばれた。検査したところ、静脈の破裂による急性硬膜下血腫のほか、脳挫傷や骨折などが見つかり、緊急手術を受けた。記憶障害や右手のしびれなどの後遺症が残っているという。
  (時事通信) - 2月28日14時0分更新

 今日にならないと報道されなかった理由が知りたいです。いずれにせよ、国家賠償法1条の解釈によって、公務員本人は民事責任(国賠責任も含む。)を負いません。

*1:最近は、他のブログを見てから書くことは少ない。見てから書くと、「違うものを書こう」と思ってしまうから。その点についてちょっとドキッとしたのが、こちらの日記。http://d.hatena.ne.jp/mustelidae/20060228。別に、私が「自分の立場の一貫性(論理の一貫性ではなく)、知識の該博さ、アンテナの感度の良さなどにこだわり、また常に何か他人と違うものを発信しなければという大喜利的強迫観念(・・・・・・)に終始突き動かされている」わけではないのですが(^^;。

*2:判決文を掲載した商業誌として判例時報1890号27頁、判例タイムズ1175号106頁。判例評釈は、私が知る限りでは、近藤敦・法学セミナー607号(2005年7月)、同・判例セレクト2005(法学教室306号別冊、2006年3月)4頁、、峯金容子・みんけん(民事研修)581号(2005年9月)33頁清水真琴・民事月報60巻9号(2005年9月)36頁。なお、山口元一・国際人権16号110頁は未確認。他にあったらごめんなさい。m(_ _)m