法律の文言でも・その3
こんにちは。うっかり八兵衛です。
11月29日の日記、法律の文言でも・その2で、タイトルに「完」を入れていませんでしたorz。
いや、別に、内容的には終わらせるつもりはなかったのですが、一区切りつけようかと「その2・完」としたつもりだったのですが・・・orz。
そういうわけで、例のごとく、予定は未定、予定変更。不定期に思いついたことを書いていこうかなぁ。
せっかくなので、1つだけ。
「審査請求」「裁決」
行政不服審査法と行政事件訴訟法の「審査請求」「裁決」の違いです。早速、条文を見てみましょう。
- 行政不服審査法3条
(不服申立ての種類)
第三条 この法律による不服申立ては、行政庁の処分又は不作為について行なうものにあつては審査請求又は異議申立てとし、審査請求の裁決を経た後さらに行なうものにあつては再審査請求とする。
2 審査請求は、処分をした行政庁(以下「処分庁」という。)又は不作為に係る行政庁(以下「不作為庁」という。)以外の行政庁に対してするものとし、異議申立ては、処分庁又は不作為庁に対してするものとする。
ここまで紹介したので、簡単に説明を。
行政不服審査法の不服申立ては、大まかに言えば(再審査請求を除く。)、
1.不服申立ての対象:行政庁の処分・不作為
2.不服申立ての種類:審査請求・異議申立て(以上、3条1項)
3.不服申立てをする機関(以下、3条2項)
①審査請求:処分庁・不作為庁以外の行政庁
②異議申立て:処分庁・不作為庁
4.他の条文も見ないといけませんが、不服申立てに対する行政機関の回答として、「裁決」「決定」がある。
ということができます。
まあ、そこまで知らなくても、行政不服審査法では、「審査請求」(「決定」)と「異議申立て」(「決定」)が分けて書かれているということをおさえておいて、次の行政事件訴訟法に行きましょう。
- 行政事件訴訟法3条3項
(抗告訴訟)
第三条
3 この法律において「裁決の取消しの訴え」とは、審査請求、異議申立てその他の不服申立て(以下単に「審査請求」という。)に対する行政庁の裁決、決定その他の行為(以下単に「裁決」という。)の取消しを求める訴訟をいう。
以上から分かると思いますが、
1.「審査請求」:審査請求のみならず、異議申立てなども含む。
2.「裁決」:行政庁の裁決のみならず、決定なども含む。
ということで、2つの法律で、「審査請求」「裁決」の定義に違いがあることが分かりましたか?
この定義の違い自体が、意外と知られていないというか、初学者が勘違いしているというか、受験用参考書・問題集で混同して書かれている場合があるというか・・・。