法令違憲の数

 他のブログでも書かれている話だし、初歩的なものなんですが、チョット某所で気になったので、メモ程度に。



 最高裁判所が、法令(法律や命令)を違憲だと判断したのは、通常、次の6種7件があげられます*1



 リンク付けやコメント等は、後刻*2




 今日は(今日も?)、たいしたコメントは付けませんでして、ひとつだけ紹介をば。

第147回通常国会 衆議院憲法調査会 10号 平成12年05月25日
中山太郎衆議院憲法調査会会長
 最後に、外国の違憲審査制度につきまして、アメリカ連邦最高裁判所、ドイツ連邦憲法裁判所における違憲判決の数は日本よりもはるかに多いようでありますが、両国における違憲審査制度及びその運用の実態はどのようなものであるか、お聞かせを願いたいと思います。
○千葉勝美・最高裁判所事務総局行政局長
 先ほど申し上げましたように、外国の制度の調査につきましては、裁判所は得意分野ではございませんので自信を持ってお話しできないわけでございますが、いろいろ文献などで指摘されております点をごく簡単に、承知している範囲で申し上げたいと思います。
 両国ともに、一つは、我が国の内閣法制局のような事前の法令審査、違憲審査、こういうことを行う制度を持っていないというようなことが指摘されております。
 そういうことに加えまして、さらに次のような点が指摘されているようでございます。
 ドイツの違憲審査制度については、そもそもドイツの連邦憲法裁判所、これは西ドイツ時代からでございますけれども、その以前のワイマール憲法が、憲法の敵あるいは自由の敵に対しても言論の自由などの憲法上の保障を与えた、その結果、ナチズムが合法的に進出するということになった、そういうことに対する深い反省が一つございます。それともう一つは、第二次世界大戦後の東西の冷戦構造、そういう政治情勢がございまして、そういうようなもとで、自由で民主的な基本的な秩序を防衛する機関としてこの憲法裁判所がつくられたようでございます。
 つまり、憲法裁判所は、まさに、今言いましたことは、戦う民主主義という言葉でよく言われるんですが、戦う民主主義のとりでとしての立場で憲法判断を行うという役割を当初から担わされておった、そういう事情があるようでございます。  少し古い統計でございますけれども、一九八七年の末までにドイツの連邦憲法裁判所が下した違憲判決・決定は、約三百三十件に及んでおります。
 アメリカ合衆国では、これは州の法律を違憲とした判決が非常に多いようでございます。その歴史的な背景といたしましては、そもそも、それぞれの州が自己の利益のみを擁護する、そういう立法などをいろいろ行いまして混乱が生じた、そういうようなことから、連邦の次元で州の法律をチェックするということの必要性について全体的なコンセンサスが得られて、そういう大きな時代の流れの中で、国民の間に連邦裁判所の違憲審査権の強化ということが抵抗なく受け入れられてきた、こういうような事情があったという指摘がされております。
 こういうような事情が背景にあるのかなというふうに考えております。

 氏名、肩書きは適宜修正しました。

 ふーん、そうなんだ。だから日本では違憲判決が少ないのかぁ〜。いや、内閣法制局の方々、いつもお疲れ様ですm(_ _)m。

*1:なお、例えば、①いくつかの第三者所有物没収事件(例えば最大判昭和37年11月28日、昭和30年(あ)2961号、刑集16巻11号1593頁)は関税法自体を違憲としたわけではなく、その適用の手続が憲法違反とされたもので「適用違憲」だとする見解が多い。②愛媛玉串料訴訟最大判平成9年4月2日、平成4年(行ツ)156号、民集51巻4号1673頁)は県知事が公金から支出した行為の違憲性を争ったものであって、法令違憲の問題だとは言われない。14:15追記:さらに言うと、「7件」とカウントしていいのかともいえるような・・・(^^;。

*2:14:15追記:リンク・コメント等を付けました。うっかり八兵衛していたら、ご指摘お願いしますm(_ _)m。